テレアポの成約率は、同じ実績でも「何を母数にするか」で数字が何倍も変わります。母数をそろえないまま平均値と比べても、自社の数字が高いのか低いのかは判断できません。
この記事では、テレアポの成約率について以下の内容を解説します。
- 成約率の定義と2通りの計算式(商談ベース・架電ベース)
- 成約率の平均値の目安と、自社の数字の判定方法
- テレアポ経由の商談で成約率が伸び悩む理由
- 架電の段階でできる改善策
- 商談を渡したあとの成約率の追い方
「アポイントは取れているのに受注につながらない」「自社の成約率が高いのか低いのか分からない」という方は、まず計算式と母数の違いから確認してみてください。
目次
テレアポの成約率とは(アポ率との違いと2通りの計算式)
テレアポの成約率とは、商談(アポイント)または架電に対して、契約・受注に至った件数の割合です。
実は、多くのWeb記事や代行会社の説明では「成約率=アポ率(架電に対するアポイント獲得率)」と混同しているケースが少なくありません。しかしこれは誤解を招きやすく、自社が本当に見るべき指標とはズレています。
成約率の2通りの計算式
成約率は、母数の取り方で2通りの出し方があります。
- 商談ベースの成約率=受注件数 ÷ 商談(アポイント)件数
- 架電ベースの成約率=受注件数 ÷ 架電件数
例えば、100件架電して5件アポイント取得(アポ率5%)、その5件中1件受注できた場合、テレアポ成約率は20%(商談ベース)となり、架電全体で見れば成約率は1%にすぎません。
同じ会社の同じ実績でも、母数が違うだけで数字は20倍変わります。社外の数字と比べるときは、まず相手がどちらの母数で出しているかを確認してください。この違いが、次章の平均値の話の前提になります。なお、母数になる架電件数の数え方(不在・話し中をどう扱うかなど)はテレアポの架電数で解説しています。
アポ率は「架電した件数に対し、商談アポイントを獲得できた割合」で、商談に入る前を測る指標です。成約率は商談に入ったあとを測ります。アポ率の計算式・平均値・上げ方はテレアポのアポ率で詳しく解説しています。
似た指標との違い
成約率のまわりには、意味の近い言葉がいくつもあります。以下は業界一般の使い方に沿った整理です。
| 指標 | 分子 | 分母 | 何を測るか |
|---|---|---|---|
| 成約率 | 受注件数 | 商談件数 or 架電件数 | 商談や架電がどれだけ受注に結びついたか |
| 受注率 | 受注件数 | 商談件数 | 商談からの受注割合(成約率の商談ベースとほぼ同義) |
| 商談化率 | 商談件数 | 架電件数 or リード数 | 架電やリードがどれだけ商談に進んだか |
| アポ率 | アポイント獲得数 | 架電件数 | 架電がどれだけアポイントに結びついたか(詳しくは別記事) |
実際の現場では、「成約率」と「受注率」はほぼ同じ意味で使われます。「クロージング率」も、受注件数を商談件数で割った数字を指すことが多く、商談ベースの成約率とほぼ同義です。ただし「最終提案まで進んだ商談のうち受注できた割合」に限定して使う会社もあるため、社外の数字と比べるときは定義の確認が要ります。いずれにせよ、社内で使う言葉は1つに決めておいたほうが混乱がありません。
数え始める前に社内で決めておく2つのこと
計算式より先に決めておくべきなのは、分子と分母の数え方です。ここがそろっていないと、月ごとの比較すらできなくなります。
- 受注をいつ数えるか……契約書の締結時点で数えるのが一般的です。内示や初回入金を基準にすると、同じ案件でも計上月がずれます。
- 商談をどう数えるか……実施された商談だけを数えます。先方都合のキャンセルやリスケは、再設定されるまで含めません。ただし、場は設けられたものの相手が消極的で実質的に商談にならなかったケースは、商談件数に含めて数えるのが実務的です。含めないと、質の低い商談が数字から消えて成約率が実態より高く出ます。
実際の支援でも、成約率はクライアントへの報告を含めて商談ベースを標準にしています。架電の効率まで含めて見たいときに、架電ベースを併用する形です。
テレアポの成約率の平均はどれくらいか
営業活動の全般(BtoB商談ベース)の平均の成約率は、約30%前後(=3件に1件が受注に至る水準)と言われています。ただしこれは特定の調査に基づく数字ではなく、業界で広く引用されている目安です。
そしてテレアポで獲得した商談は、相手の関心度が低いケースが多いため、この平均値を下回る傾向が強く、結果的に全体のごく一部しか成約につながらないのが実情です。
成約率の水準の目安
数字を見るときは、どこから来た数字なのかを必ず添えて判断してください。以下の表では、根拠の区分を列に入れています。
| 区分 | 商談ベース | 架電ベース | 根拠の区分 |
|---|---|---|---|
| BtoB一般(営業全般) | 約30%前後と言われている | — | 業界一般の目安(出典なし) |
| テレアポ経由(BtoB) | 10〜50%程度 | データなし | 当社の実績値(案件により幅あり) |
| 月額数万〜数十万円のサービス | 20〜40%程度 | — | 業界一般の目安(出典なし) |
| 数百万円以上の大型案件 | 10〜20%程度 | — | 業界一般の目安(出典なし) |
| 不動産業界(テレアポ) | 低くなりやすい傾向 | — | 業界一般の目安(具体的な数字の出典なし) |
テレアポ経由の商談ベースの成約率は、実際の支援でも10〜50%程度の幅に散らばります。低い案件で10%前後、条件がそろった案件では50%を超えることもあり、実際に商談からの成約率が53%まで届いた案件もあります。「テレアポ経由は必ず低い」わけではありません。
なお、架電ベースの成約率は当社としてデータを出したことがないため、目安を示せる数字を持っていません。架電ベースの数字は商材と架電量で大きく動くので、社外の数字と比べるより自社の前月と比べるほうが実用的です。
平均値を左右する3つの要因
- BtoBかBtoCか……BtoBは検討期間が長く、関与する人も多くなります。BtoCは意思決定者が本人であることが多く、商材によっては成約率が高くなりやすい傾向があります。
- 商材の単価帯……単価が高いほど検討期間が長く、社内稟議や複数回の商談が必要になるため、成約率は下がる傾向があります。
- リードの種類……同じ商材で比べると、紹介経由がいちばん高く、次にWeb問い合わせ、テレアポ経由がいちばん低くなる傾向があります。紹介は信頼が前提にあり、Web問い合わせは相手が自分から動いているぶん関心度が高い状態だからです。リードの入り口の違いについてはテレアポのアポ率でも触れています。
つまり「平均30%」という1つの数字を、自社にそのまま当てはめることはできません。BtoBで単価が数百万円のシステムを、テレアポ経由で売っている会社の商談からの成約率が15%だったとしても、それは低い数字ではありません。
自社の成約率が高いか低いかを判定する手順
平均値と比べる前に、母数をそろえます。順番は次のとおりです。
- 自社の成約率を商談ベースで出す(架電ベースのデータがあればそちらも出す)
- 比較対象の数字が、商談ベースなのか架電ベースなのかを確認する
- 同じ母数の数字どうしで比べる
- 商材の単価帯・業界・リードの種類が近い条件で比べる
母数をそろえないまま「うちは低い」と判断しても、改善の方向は見えてきません。実際にご相談をいただいたときも、業種や商材を聞かずに「その数字は低い」と判断することはありません。まず確認するのは、どの母数で出しているかと商材の単価帯、そして商談件数が十分にあるかの3つです。月に数件しか商談がない状態では、成約率の高い低いを議論しても意味がないためです。
テレアポの成約率が伸び悩む理由
テレアポ経由の商談で成約率が伸び悩む最大の理由は、リードの温度感が低い状態から商談が始まることです。他のリード獲得手法と比べたテレアポ特有の難しさを、原因ごとに分けて見ていきます。
リードの温度感が低い
テレアポは企業側からのアウトバウンド営業であり、基本的に相手からしたら「突然の電話をかけてきた売り込み」です。セミナー参加や問い合わせ等の接点ありリードに比べ、テレアポでアポイント取得した見込み客はスタート時点での関心度が低めです。
そのため商談になっても信頼関係の構築に時間がかかり、成約率が低くなる傾向があります。ただし、温度感は「テレアポだから一律に低い」のではなく、誰にかけたかで大きく変わります。リストの作り方はテレアポリストの作り方で解説しています。
紹介・広告リードとのアプローチ差
紹介やWeb経由の問い合わせからの商談では、ある程度ニーズや興味を持っているため成約率が高くなりやすいです。一方、テレアポで獲得した商談は課題の認識が浅かったり検討の度合いが低かったりするため、同じ提案では響かない可能性があります。
「なぜ電話営業でアポイントが入ったのか」という背景を踏まえ、商談時のアプローチを工夫しないと成約につながりづらいのです。リードの入り口ごとに、1回目の商談の入り方は次のように変わります。
| リードの種類 | 1回目の商談の入り方 |
|---|---|
| テレアポ経由 | 相手がまだ課題を言語化できていないことが多く、ヒアリングで課題を引き出すところから始まる |
| 紹介経由 | 紹介者への信頼が前提にあるため、初回から課題や予算の話に入りやすい |
| Web問い合わせ経由 | 相手が自分で調べたうえで問い合わせているため、前提知識がある状態から始まる |
テレアポ経由だけが、商材への理解も信頼関係もない状態から始まります。クロージングまでに時間がかかるのは、能力の差ではなく入り口の差です。
営業側のスキルにも依存する
テレアポで商談設定した後、実際にクロージングを行うのは営業担当であり、特にアウトバウンド由来の商談では提案力・ヒアリング力などの営業力が成約率を左右します。「テレアポでアポイントを取れば契約は勝手に取れる」わけではなく、営業担当のスキルアップや適切なフォロー体制も不可欠です。
架電の担当と営業の担当が分かれている場合、連携不足で商談の情報が共有されないと、せっかくのアポイントが活かしきれず成約率が下がってしまいます。これは営業側の責任というより、引き継ぎの設計の問題です。
アポイントの数だけを追うと何が起きるか
アポイントの数だけを追うと、成約に結びつかない商談が増えて営業リソースが浪費されます。「とにかくたくさん獲得しているからOK」という考え方は、成約率が伴っていなければ成り立ちません。
質より量のアポイントは、営業現場にも負担となります。商談に進んだ顧客が「とりあえず話だけ聞いてみる」「情報収集が目的」の場合、営業担当がいくらクロージングを頑張っても成約には至りません。テレアポでアポイントを取れた顧客でも、必ずしも本気で検討しているとは限らないのです。
これは架電を担当している側から見ると、「数字上はアポイントを取っているのに評価されない」「営業から『使えないアポ』と言われる」という形で起きます。当社の支援案件でも、営業側から戻ってくる指摘でいちばん多いのは「課題感がない相手だった」というものです。次に多いのが「担当者は興味があるが決裁権がなく、すぐに決まらない」というケースです。
温度感の高いアポイントかどうかは、架電の記録から見分けられます。いちばん分かりやすいのは、相手が自分の課題を具体的に口にしているかどうかです。「まあ話だけ聞いてみるか」で終わったアポイントと、「今こういうことで困っている」と課題が出ているアポイントでは、商談の入り方がまったく変わります。相手が話した課題や悩みの具体性、現在の対応状況への言及があるかを、記録の項目として残しておいてください。
架電の段階で潰せる原因・潰せない原因
成約率が伸びない原因は、自分の手で動かせるものと、そうでないものに分かれます。ここを切り分けておかないと、手の届かないところを悩み続けることになります。
| 架電の段階で潰せる原因 | 架電の段階では潰せない原因 |
|---|---|
| ターゲットリストの精度が低い | 営業担当者の提案力・ヒアリング力 |
| スクリプトが相手の課題を引き出す構成になっていない | 商談後のフォロー体制 |
| アポイントの基準が曖昧で、温度感の低い商談を送っている | 商材そのものの競争力や価格設定 |
| 引き継ぎ情報が不足していて、営業が手ぶらで商談に入っている | 先方の社内稟議や決裁フロー |
ご相談をいただく中でいちばん多いのは、左側の3つ目「アポイントの基準が曖昧」です。「何でもいいからアポイントを送ってほしい」という状態になっていて、相手の課題や検討段階を確認しないまま商談に送っているケースです。逆に、金額を伝えてOKが出ないとアポイントにできないなど、架電の段階で絞り込みすぎてアポイント自体が出ないケースもあります。
右側の原因は、架電の段階では潰せません。ただし「営業が悪い」で終わらせても数字は動かないので、後述する引き継ぎと数字の戻し方で扱います。
成約率を上げるために、架電の段階でできること
成約率を上げるには、アポイント獲得から商談・受注に至るプロセス全体を見直す必要があります。ここでは、架電を担当している自社が明日から手を付けられる5つのポイントを紹介します。
5つは同時に着手するものではありません。効果が出るまでの早さと、自分だけで完結できるかで順番が決まります。
| 打ち手 | 効果が出るまでの期間 | 自分だけでできるか |
|---|---|---|
| 1. ターゲットリストの見直し | 即日〜1週間 | できる |
| 2. 質の高いアプローチ&スクリプト | 1〜2週間 | できる |
| 3. データ分析とPDCA改善 | 1〜2週間(数値が溜まるまで) | できる(数値の共有は営業側が必要) |
| 4. 事前の接触や情報の提供で信頼構築 | 1〜2週間 | できる |
| 5. 営業との綿密な連携 | 2〜4週間 | 営業側の協力が必要 |
リストとスクリプトは、変えた翌日から反応が変わります。成果が出ていない段階では、まず数字を見てどこで詰まっているかを特定し、そのうえで打ち手の順番を決めてください。以下は現場での実行順に沿って並べています。
ターゲットリストの見直し
〜誰に電話するかで8割決まる〜
テレアポの成果を左右する最大の要素はリストの質であり、見当違いの相手にいくら架電しても成約率は上がりません。逆に、刺さる見込み客層に絞れば少ない架電でも効率よくアポイントを獲得でき、成約率も向上します。まずは自社商材と相性の良い業種・規模・課題を分析し、ターゲティング条件を明確化しましょう。
実際の支援でも、AI研修の案件でアポ率が0.6%から1.6%へ改善したことがあります。変えたのは「誰に電話するか」と「何をきっかけに電話するか」の2つだけで、スクリプトもアポインターもそのままです。
この案件では当初、業種を広く取って架電していました。ところが「AI研修」という言葉を正面から出すと、受付の段階で「自社とは関係がない」と判断されて担当者につながりません。そこで、クライアントが精通している業界を洗い出してターゲットを再設計し、その業界の課題に寄せた入り方に変えました。精通している業界は仮説課題が当たりやすく、業界内に知られた実績があり、さらに企業が自ら公開している情報をフックに架電できます。結果として受付突破率も担当者の反応率も上がりました。
自社で架電している場合に同じことをするなら、自社の商材と相性が良い業界はどこか、その業界に対して語れる実績や知見があるかを棚卸しするところから始めるのが現実的です。リストの作り方そのものはテレアポリストの作り方で詳しく解説しています。
質の高いアプローチ&スクリプト
〜興味を引き出し商談の質を上げる〜
アポイント取得時に相手の興味を高められるかが、成約率に直結します。汎用テンプレートでは響かないため、業界課題や自社の強みを盛り込んだオリジナルスクリプトを使い、課題提起まで踏み込むことが重要です。
また、断りへの切り返しやニーズの引き出しなど、話し手のスキル強化を行えば、「会ってみたい」と思わせる質の高いアポイントが増え、成約率も向上します。スクリプトの直し方はテレアポスクリプトの改善方法を参考にしてください。
事前の接触や情報の提供で信頼構築
〜商談前のひと工夫〜
初対面の電話だけではなく、架電前後のアプローチも成約率アップに効果的です。たとえば、アポイント日程が決まった後に資料の送付やメールフォローを行うと、相手の事前の理解が深まり商談がスムーズになります。こうした事前の接触により信頼感を醸成し、「話を聞いてみよう」という前向きなスタンスで商談に臨んでもらえれば、成約率の向上に直結します。
実際の支援でいちばん効果があったのは、アポイント確定後に商談の日時・場所・当日話す内容をまとめたメールを送ることです。相手が社内で上長に共有しやすくなり、決裁者が同席するケースが増えます。資料の送付は、相手から希望があった場合に対応しています。また、前日にリマインドの電話かメールを入れると、当日のキャンセルやすっぽかしが減ります。
あわせて、アポイントが決まった段階で相手の課題感・現在の対応状況・検討の温度感を改めて確認し、「当日は◯◯についてお話しします」と商談のゴールを共有しておいてください。当日の商談が「何の話だったか」から始まるのを防げます。
営業との綿密な連携
〜アポイントから受注への橋渡しを万全に〜
架電の担当と商談の担当が分かれている場合、連携の質が成約率を大きく左右します。アポイントの温度感・課題・懸念点などを細かく引き継ぎ、商談担当者が万全の準備で臨める体制をつくりましょう。場合によっては架電担当者が商談に同席したり、事前の戦略打ち合わせを行うことで成約率はさらに向上します。
また営業側が「テレアポだから温度が低いはず」と決めつけないことも重要です。課題喚起型の提案を意識し、どのリードにも丁寧に向き合うことで成約率は確実に高まります。
データ分析とPDCA改善
〜数字を見て原因を突き止める〜
成約率を高めるには、「架電件数 → 有効コール → アポイント → 成約」という流れを段階ごとに追うことが重要です。アポイントは取れているのに成約しないなら商談対応やリードの質に課題があり、アポイント数が少ないならリスト精度や架電数を見直す必要があります。
数字を分解してボトルネックを特定し、リスト・トーク・フォロー体制をPDCAで改善することが、成約率アップの最短ルートです。分解の起点になる架電件数の数え方はテレアポの架電数で整理しています。
セルフチェックリスト
- ☑ ターゲットリストは直近3か月以内に見直したか
- ☑ スクリプトは業界・商材ごとにカスタマイズしているか
- ☑ アポイント確定後に資料送付やフォローメールを送っているか
- ☑ 営業への引き継ぎに温度感・課題・懸念点を含めているか
- ☑ 架電→アポイント→商談→受注の各段階の数値を把握しているか
商談を渡したあと、成約率をどう追うか
商談を渡したあとは、営業へ渡す項目と戻してもらう項目を決めて、月次で成約率を追います。成約率は架電を担当している人にとって自分の手を離れたあとの数字ですが、任せきりにすると何が起きたのか分からないまま数字だけが下がります。渡したあとをどう追うかまでが、架電側の仕事です。
渡す項目と、戻してもらう項目
| 営業へ渡す項目 | 営業から戻してもらう項目 |
|---|---|
| 事前にすり合わせたヒアリング項目(必須項目) | 受注か失注かの結果 |
| 温度感(電話から感じ取れたこと) | 失注の場合はその理由(価格・タイミング・競合・ニーズ不一致などの大分類) |
| 相手が口にした課題と、現在の対応状況 | どの段階で止まったか(初回商談・見積・稟議など) |
| 決裁の状況(担当者の権限、決裁者の同席可否) | — |
渡す項目は案件によって変わりますが、温度感だけは案件を問わず必ず記載してください。電話でしか分からない情報であり、記録に残らないと二度と復元できないためです。
戻してもらう側は、粒度を上げすぎないことがコツです。失注理由は大分類が分かれば十分で、細かく書いてもらおうとすると営業側の負担が上がり、そもそも報告が上がってこなくなります。指標の設計そのものについては商談・成約につながるKPI設計ガイドで詳しく扱っています。
どの周期で見るか
成約率は基本的に月次で見ます。週次だと母数が少なすぎて振れ幅が大きく、傾向が読めません。
商談から受注までの期間が長い商材(数百万円以上のシステム導入など)では、月次で追いつつ四半期単位で推移を見てください。直近の月次だけで判断すると、まだ商談が進行中の案件を失注扱いしてしまいます。なお、架電そのもののタイミングを見直す話はテレアポのゴールデンタイムで扱っています。
営業から数字が戻ってこないとき
営業から数字が戻ってこないときは、商談が実施されたかと、商談後に次のアクションが出たかを代わりの指標にします。実際にはこれがいちばん多い状態で、そもそも成約率まで追いかけている会社が少ないため、受注・失注の報告が上がってこないことは珍しくありません。
その場合は、代わりに次の2つを指標にしてください。ひとつは商談が実際に実施されたかどうか、もうひとつは商談後に次のアクション(2回目の打ち合わせ、見積依頼など)が発生したかどうかです。成約率そのものは追えなくても、アポイントの質の良し悪しはこの2つで判断できます。
テレアポの成約率に関するよくある質問
Q. 成約率は何を母数にするのが普通ですか?
A. 商談ベース(受注件数 ÷ 商談件数)で出すのが一般的です。架電の効率まで含めて評価したい場合は、架電ベース(受注件数 ÷ 架電件数)も併用してください。母数が違うだけで数字は何倍も変わるため、社内で統一しておくことが重要です。
Q. 架電ベースの成約率が1%未満ですが、低いのでしょうか?
A. 当社の支援案件でも、架電ベースの1%未満は珍しくない水準です。商談ベースに換算すると10〜20%程度になるケースも多く、架電ベースの数字だけで「低い」と判断するのは早計です。まずは商談ベースの成約率と合わせて見てください。
Q. アポ率と成約率のどちらを先に上げるべきですか?
A. まずアポ率を安定させるのが先です。アポイントが安定して取れていない段階で成約率を追っても、母数が少なすぎて傾向が読めません。ただし、アポ率だけを追ってアポイントの質を落とすと成約率が下がるので、両方のバランスを見ることが前提です。
Q. 成約率はいつから見始めればよいですか?
A. 当社では、商談件数が10件を超えたあたりからを目安にしています。それ以前は1件の受注・失注で数字が大きく振れるため、傾向として判断できません。架電を開始して最初の1〜2か月は、アポイントの獲得と商談の実施に集中してください。
Q. 成約率が高すぎる場合、問題はありますか?
A. 一般的に、商談ベースの成約率が極端に高い場合は、アポイントの基準が厳しすぎて取りこぼしている可能性があります。確度が高い先にしかアポイントを設定していない状態は、成約率は高くなりますがアポイント数が伸びません。成約率とアポイント数のバランスを見てください。
グッドアポについて
グッドアポでは、アポイントの獲得だけでなく、商談後の成約率まで見たうえで架電の設計を改善しています。この記事で紹介した知見も、実際の支援を通じて蓄積してきたものです。架電の設計や成約率の改善にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
テレアポの成約率は、母数をそろえてから比べるものです。商談ベースと架電ベースのどちらで出しているかを確認しないまま、「平均より低い」「平均より高い」と判断しても、改善の方向は見えてきません。
この記事で解説した内容をまとめます。
- 成約率には商談ベースと架電ベースの2通りの計算式がある
- 同じ実績でも母数が違えば数字は何倍も変わる
- 営業全般の平均成約率は約30%前後と言われているが、テレアポ経由はこれを下回る傾向がある
- 成約率が伸びない原因は、架電の段階で潰せるものと潰せないものに分かれる
- 架電の段階では、リストの精度を上げることがいちばん先に手を付けるべき打ち手になる
平均値は、自社の数字を置く場所を確かめるための物差しにすぎません。同じ30%でも、BtoBで単価が数百万円の商材と、月額数万円のサービスとでは意味がまったく違います。数字の高い低いを議論する前に、自社が何を母数にしているのか、商談件数が判断に足りているのかを先に確認してください。
そのうえで、次にやることは1つだけです。まず自社の成約率を商談ベースと架電ベースの両方で出してください。そこから、架電の段階で潰せる原因から順番に手を付けていくのが、成約率を改善する最短の進め方です。
記事監修者
水貝 拓真営業戦略部 部長
グローバルIT企業で売上高1,000億円超のエンタープライズ企業を対象にIS3年。テレアポ代行の実績は5年以上。
単なるアポ獲得ではなく成約率まで追いかける支援を掲げ、テレアポ経由の成約率で最高53%を達成。
設計改善でアポ率を2倍に引き上げるなど、リスト・スクリプト・KPIの一貫設計を強みとする。